介護とフェルデンクライス

NHKのためしてガッテンで介護が取り上げられていた。2週続きのものを録画したものを最近見た。
1週目も2週目もフェルデンクライスの背景と共通している部分がとても多かったと思う。介護の分野でフェルデンクライスメソッドができることはおそらくたくさんある。
番組の中で人はどう寝返りしているか、また寝た姿勢から起きてくるかというのを取り上げていた。モデルとなった学生(?)はきれいに起きていて、普通はこうやっておきていますみたいな説明があったけど、実際はかなり人によってバリエーションがあって、そのモデルのように楽に起きる人はそれほど多くないと思う。フェルデンクライスのグループレッスン(ATM)ではどうやって楽に起きてくるか、楽に転がるか、楽に立ち上がるかみたいなレッスンもたくさんある。
だけど、レッスンではこうやって、こうして起きてくださいという説明は特にしないので、自分の動きを観察しながら自分の楽な動きを見つけていく。プラクティショナーは注意を向けてほしいところや動きのヒントを与えていく。あくまで主体はレッスンを受ける人自身だ。
番組では理学療法士が「やり方」を教えていた。それは普通のことだと思う。フェルデンクライスでは生徒さんにやり方を教えたりはほとんどしない。そこがわかりにくいところだし、時間もかかるし、待てない人が多い部分だと思う。このメソッドは「動き方」を自分で見つける過程でその人が得るものを、「動き」ができることよりも大切にしている。だから、そのプロセスを大切にする。そしてプロセスを大切にすることで、そのうち楽に動けるようになる。
モーシェ・フェルデンクライスが他界して既に20年以上。モーシェは現在の脳科学が発見していることは知らなかったはずだけど、モーシェのやっていたことは現在の科学が証明しつつある。

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