私自身はもともと股関節や足首は柔らかい方でした。けれども背骨や肩甲骨周辺はそうではありませんでした。柔軟性は低くはなかったものの、全体のつながりが悪く機能的に上手に使える方ではなかったので、体操、球技などは下手でした。
当時の私には自分のからだや動きを観察するという発想はなく、自分は運動神経が悪いと思っていたので、そこから先の発展はありませんでした。
大学1年生のときの怪我で左膝を痛め、4年生のときに膝の痛みが悪化して靭帯形成術を行ないました。長い間最初の処置が悪かったから、3年後に靭帯が切れてしまったのだと思い込んでいましたが、数年前に医者のせいではなく、自分のからだの使い方のせいだったかもと思い直しました。
「私は体がかたくって・・・。」という言葉をよく耳にします。確かにかたいところは皆あります。生まれつきの関節の柔らかさや筋肉の質、骨の形など、遺伝的な影響もあると思いますが、その人の動きの癖や環境がかたさをつくりだしてきた場合も少なくないと思うのです。
自分のかたさに好奇心や興味を持ち、その好奇心をベースに自分の体や動きを観察をしてみましょう。自分のからだと新たな出会いができると思います。(こんなことやってたの!知らなかったわ~みたいな・・・)
ストレッチで伸ばしている筋肉は、それをやめると元に戻ります。けれども自分がやっていることに自ら気づいてしまったら、気づく前には戻れません。それは筋肉に指令を送る脳に直接働きかけます。癖の回路は強固なので、すぐに無くなるわけではありませんが、気づくことがまずは扉を開くのです。