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四つん這い、楽になりました

フェルデンクライスのレッスンでは四つん這いや四つ足になるレッスンがたくさんあります。

けれども、大人の大部分の人は普段の生活で四つん這いになることはほとんどありません。

 

 

赤ちゃんの頃はなんの問題もなくハイハイをしていてはずなのに、

大人になると四つん這いが楽ではない人は少なくありません。

腕がすぐ疲れてきたり、手首が痛くなったりするみたいです。

そういう場合は、腕や背中ががんばりすぎていたり、

体をうまく支えていない場合が多いように感じます。

 

四つん這いが楽でない人は以下の方法をお試しください。

(前の投稿の動画も参考になります)

骨で立つ感じで丁寧に膝立ちをします。

膝立ちで頭が背骨や骨盤、大腿骨で支えられいる状態です。

そこから背中や腕を柔らかいままで股関節を曲げて、

柔らかい手を床に置きます。

そして手の位置を整えます。

 

うまくできると四つん這いでも骨盤、背骨、頭がつながっています。

頭から骨盤のつながりがあれば、

腕は楽になっています。

 

今日のクラスで丁寧に四つん這いをしてもらったら、

手首が痛くなくなったとIさんが話していました。

(丁寧にやる前は手首が少し痛かったようです)

 

クラスではこのようなことを丁寧にやっています。

その人その人の動きの癖やパターンにも注意を向けています。

 

ヨガクラス、フェルデンクライスのレッスンとも生徒募集中です。

ご興味がある人は、ご遠慮なくお問い合わせください。

ヨガクラスのスケジュールはこちらをご覧ください。

ヨガクラススケジュール

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伸ばそうと思っているのに短くなっていませんか?

私達は動きの準備をいろいろやっています。

フェルデンクライスのレッスンはそのことをよりはっきり感じることができます。

フェルデンクライスのトレーニング中に動きの最初だけやりますという指示がよくありました。

今はその意味がよくわかります。

想像以上に私はいろいろやっています!!

 

ヨガのときも脚を伸ばせという指示に昔の私はとても力を入れていました。

伸ばそうと思って、力をいれて短くしているのです。

だけど当時の自分には、そのことを区別することはできませんでした。

なぜなら30数年間(当時)そのやり方しか知らなかったからです。

他のやり方があるということを想像さえしていなかったと思います。

 

動き始めようとしているときに、

息を止めていないか、

お腹を固めていないか、

肩があがっていないか、

首をかためていないか、

腰に力をいれていないか、

背中に力が入っていないか、

太ももはかたくなっていないか、

膝は何をしているか、

手に力をいれていないか、

あごに力がはいっていないか、

歯や舌はどうなっているか、

額に力がはいっていないか、

 

などなど注意してみると面白いと思います。

無意識でやっていることなので、

丁寧に観察しなければ認識することはできません。

 

これはからだが勝手にやっていることではなくて、

自分自身がやっていることです。

 

無意識に働きかけることは簡単ではありませんが、

動きのパターンが変われば、それは自分のものになります。

ストレッチみたいに止めれば元に戻るような種類のことではありません。

 

無駄な準備をやめることは

何をするにもとてもパワフルなことです。

 

 

手のひらは床に着くものだった

この前の投稿でいつもと違うやり方でダウンドッグをしてもらったことを書きました。

ざっくり言うと、腕の緊張が少ない状態からダウンドッグをしました。

そのときの生徒の手をみると、

床にぺったり着いています。

後で聞くと、床に吸いついているように感じたと言っていました。

別に床にちゃんと手をつけようとは思っていなかったはずです。

 

ダウンドッグをすると、手のひらの親指側が浮きやすくなる人は少なくありません。

腕や肩に余計な力が入っていなければ手はつきやすいし、

逆に手に力が入っていれば腕や肩も緊張します。

 

柔らかい腕は、床と関係がつくりいやすく、

楽でよりしっかりポーズができます。

腕が長くなる分、脚はより伸びる形になるので、

脚はそれまでよりもきつくなります。

 

軽く感じる体験によって、それまでが重かったことがわかる

昨日のヨガクラスのときに、

休むポーズで腕を長くしてもらいました。

ストレッチというよりも背中から伸びる長い腕を意識してもらう。

手が肩から離れていくことで肘も伸びる。

それを見ていたときに、ダウンドッグのときも

こんなふうに腕が伸びればいいなとふと思い、

そこからダウンドッグをしてもらったら、

今までよりもとても軽くて、背中が楽だったと言われました。

それまでも苦しそうには全く見えなかったけど、

生徒達が自分で感じる感覚はかなり違いがあったみたいです。

 

その感覚を経験して、今までは重かったことがわかりましたと話していた。

ほんとうにその通りです。

今まで普通だと感じていたこと、こんなものだと感じていたこと、

自分では楽だと思っていたこと、力を入れているつもりはなかったこと、

そういうことは案外普通ではなかったりします。

力はいろいろなところに結構入っています。

 

そして変わる可能性は誰でも持っています。

 

やっていることをはっきり感じるとそれを変えることが出来る

仰向きで右腕を立てて、その右腕を天井方向に少し伸ばすというシンプルな動きの

フェルデンクライスのATMを自分で先日やっていたときの話です。

 

右腕を少し伸ばそうとすると、左背中の腰部分が短くなりました。

えっ?何でこんなところが短くなってるの?

えっ?私何をしているの?

動きの最初に腰で何かをしています。

腕や肩を少し動かすだけなのに。

 

試しに左腕を立ててやってみたら、そのときの右側は短くなりませんでした。

 

骨格で動きを考えてみると、

仰向きで右腕を伸ばすと左側に重さがかかっていくので、

左側は床に近づくはずです。

 

こんなところに余計な力が入ってた~~~~。

何回かやってみます。確かに力が入っています。入っています!

ちゃんと入っています。やってます!!やってたよ~。

自分ではっきり認識しました。

 

少し休み。

 

その後で、そこは短くならないで、長くなるよ~、

左の腰は静かにしているよ~と

右肩から左腰までの背中が長くなるイメージで、

右肩から左腰に何かが流れるようなイメージで、

動きの最初だけ何回かやってみました。

何回かやって、力が入らなくなりました。

 

力が入らなくなると、その後はもう力が入りにくくなりました。

その方が右腕も動きやすくなります。

 

余計な力を入れていることを、自分ではっきり認識したことで、

力を入れることを止めることができました。

 

フェルデンクライスのATMレッスンは、

こんなふうに自分の動きを観察することがレッスンの肝です。

 

最初は何をしているのかよくわからない場合が多いと思います。

動きは小さくても、使えるようになると、とてもパワフルなレッスンです。

 

床を押せと言われたら

何となく断舎離中で、昔購入したヨガのVHSビデオをどうしようかと思い、

先日久しぶりに少し観てみました。(観てから捨てようと思った)

 

ポーズの中で「push」という指示が聞こえてきました。

このビデオをみていた当時の私だったら、

押せと言われたら、その部分に力をいれてしまい、

自分では押しているつもりでも、

ほとんど押せていなかったと思います。

実際に似たようなことを先生から指摘されたこともありました。

 

今の私は押そうと思って、力を入れれば入れるだけ、

体が緊張して押す力は弱くなると思っています。

 

ヨガの有名な某先生のポーズを観ていたら、

結構力が入っているなあ~と思ってしまいました。

その後で太極拳のビデオを観ました。

どこから手に入れたのか全く覚えていないのですが、

外国の有名な人が日本に来たときに撮影したホームビデオみたいなものでした。

画像は悪いのですが、

余計な力が入っていない、

とても優雅な動きをしている人で、

高佳敏と書いてあったので、

一体この人は誰?と調べたら

中国の有名な人でした。やっぱり!

↓この人が若いときのビデオでした。

体のかたさにも興味を持つ

私自身はもともと股関節や足首は柔らかい方でした。けれども背骨や肩甲骨周辺はそうではありませんでした。柔軟性は低くはなかったものの、全体のつながりが悪く機能的に上手に使える方ではなかったので、体操、球技などは下手でした。

当時の私には自分のからだや動きを観察するという発想はなく、自分は運動神経が悪いと思っていたので、そこから先の発展はありませんでした。

大学1年生のときの怪我で左膝を痛め、4年生のときに膝の痛みが悪化して靭帯形成術を行ないました。長い間最初の処置が悪かったから、3年後に靭帯が切れてしまったのだと思い込んでいましたが、数年前に医者のせいではなく、自分のからだの使い方のせいだったかもと思い直しました。

「私は体がかたくって・・・。」という言葉をよく耳にします。確かにかたいところは皆あります。生まれつきの関節の柔らかさや筋肉の質、骨の形など、遺伝的な影響もあると思いますが、その人の動きの癖や環境がかたさをつくりだしてきた場合も少なくないと思うのです。

自分のかたさに好奇心や興味を持ち、その好奇心をベースに自分の体や動きを観察をしてみましょう。自分のからだと新たな出会いができると思います。(こんなことやってたの!知らなかったわ~みたいな・・・)

ストレッチで伸ばしている筋肉は、それをやめると元に戻ります。けれども自分がやっていることに自ら気づいてしまったら、気づく前には戻れません。それは筋肉に指令を送る脳に直接働きかけます。癖の回路は強固なので、すぐに無くなるわけではありませんが、気づくことがまずは扉を開くのです。

 

四つん這いからダウンドッグをするときに:フェルデンクラス的にアプローチする

昔からダウンドッグのときに胸が落ちてしまうのをよく注意されました。それがやる前の姿勢や、動くときの腕の力の入れ方などに注意しながらやっていたら、それがなくなりました。胸に意識をしているときはうまく出来ず、他のところに注意をしたら自然に胸の位置が変わりました。胸が落ちていたのは、肩甲骨、腕、脊柱や肋骨との関係でそうなっていたのです。

完成されたポーズを直されると、その位置にくればよいことはわかるのですが、動き方を変えずにその位置に行くことは難しい。なぜなら、動きにその人の癖が深く関わっていて、それがポーズの邪魔をするからです。

よくある動きのパターンを例に、四つん這いからダウンドッグをする動画を撮ってみました。

 

その1:この動画の中では一番楽に動いています。体の伸び方が他と違います。腕も楽です。

その2:腕に力を入れて持ち上げているので、腕や肩、肩甲骨周りに力が入っています。腕がつらくなってきます。

その3:最初から体が落ちていて、完成ポーズもその形のままです。胴体がぶらさがっていて体が伸びにくい状態です。

その4:動き始めに体の真ん中くらい(お腹の上部)に力を入れています。体が丸くなるので重さが腕にかかりきつくなってきます。

その5:動き始めにおへその辺りに力を入れています。4と同じで腕がきつくなります。

最後のポーズは見た目では少し違いがわかりにくいかもしれません。けれども、自分の感覚としては動き方によって感じる腕の重さやからだの伸びは全然違います。その2からその5のような動きは、前述したようにその人の姿勢や動きの癖が大きく関係しています。その癖は無意識に行なわれるので、ほとんどの場合やっている本人は指摘されるまで認識していません。

「ハタヨガの真髄 600の写真による実技辞典」 B.K.S.アイアンガー著 沖正弘監訳には、ダウンドッグ(アドー・ムカ・シュワーナアサナ)の効果として下記のように記載されています。(P124より引用)

“疲労したときにこのポーズを行なえば、疲れがとれ、心身に生気がよみがえる。(中略) 肩胛骨周辺のこりをやわらげるのに効果があり、肩の関節炎を治す。腹部の筋肉を締め、強める。横隔膜が引き上げられるので、心臓の鼓動もととのう。気分を爽快にするポーズである。(以下略)”

けれども、動画の2~5の例のように余計な力が入っていると、完成したときに力みで短くなった部分はそのままです。肩胛骨周辺のコリはとれず、腹部の筋肉は適切に使うことができず、腕は重くなり、気分はなかなか爽快になりません。

無駄な力が入っていない方が、より床を押すことができ、より伸びることが出来ます。無意識の力は最初から入ります。自分が何をしているのかを探るために、丁寧に注意深く動きはじめの部分だけをやるのも一つの方法です。ぜひお試しください。

 

脚を使えというのは力を入れること?

ヨガを始めた頃、

脚を使えとか、脚を強くとか頻繁に指示をされるので、

当時の私は一生懸命に脚に力を入れていた。

とてもがんばっていたし、脚を強くというのは力を入れることだと思っていた。

 

ところがある先生のワークショップに参加したとき、

ダウンドッグをしていたら、

その先生がなぜそんなに脚に力を入れているのかと言った。

当時の私にはその意味がよくわからなかった。

 

 

今はその意味がよくわかる。

余計な力を入れれば入れるほど、

脚を使うことができなくなる。

もちろんフニャフニャしていればいいってわけではない。

 

ヨガのポーズでも筋力が弱いからうまくできない、

体がかたいからできないと思う人が多いと想像するけれど、

余計な力を抜くことができなければ、

本来強く働かせたい部分の動きを邪魔するし、

そのことが自分の体の固さをつくっている要因の一つとなっている可能性は高い。

自分の動きの癖もいろいろと邪魔をしている。

 

まずは自分を観察することが最初の一歩だ。

 

「手は床につくものなんですね!」

ヨガクラスで図書館から借りた本を参考にして、
椎骨や足首の関節の状態やらを、
こんなになっていますと紹介しました。
骨や関節のイメージをはっきり持っている人は少なく、
自分がおぼろげにイメージしていた関節の位置が、
実際と少しずれている場合もよくあります。
そのイメージを修正しただけで、
触らなくてもその人のポーズが変わったりもします。
例えば、立位前屈をしているときは、
どうしてもお尻が後ろに行きやすいのですが、
脛の骨と足の骨の位置関係をイメージするだけで、
多くの人がお尻の位置が変わります。
自分をどうイメージしているかが、
実際の動作に影響を与えます。
今週のクラスで、立位前屈で指が床につくけど、
掌がまだつかない程度の人をモデルにしてやってみました。
足だけでなくて、全身を意識してもらうのですが、
結果として3人とも掌かもしくは指全体を床に置けました。
3人のうちの2人が、
「掌が床につくとは思わなかった!」
というようなことを言いました。
ヨガクラスに通い始めた頃は、
手が床につくかつかないような状態の人が半分くらいいらっしゃいます。
(もちろん、全然つかない人も、ぺったりつく人もいます。)
だからなおさら掌が床にぺったりと触るイメージは持てずにいます。
そして少しずつ柔らかくなり、
指が床に着くようになります。
そうすると今後は指でからだを支え始めます。
まだ自分の体を支える部分が弱いせいもあると思います。
そうするとそのせいで前屈は止まってしまいがちです。
加えて、
「自分は体が固いから、手が床につくのはこの辺くらいなんだ」
と思い込んだりもしているようです。
自分の骨格に乗り、
脚や肚で自分を支えれば、
上半身の余分な緊張を取り除きやすくなります。
そうすれば、手や腕周りの緊張がとれ、
肩甲骨、胸あたりの緊張もとれてきます。
そうすれば指の第一関節くらいまでが床に触っている人は、
掌もしくは手の指全体くらいが床につく可能性が大幅に高まります。
だけど一番大事なことは、
自分の掌は(そのうち)床につく
とイメージできることだと思います。
床につかないと思っていれば、
いつまでたってもつかないと思います。
つかないと思うことは、
自分の可能性をそこで止めることであり、
自分の行動や思考がそれ以上ひろがりようもないからです。
自己イメージというのは、
その人の動作、さらに言えば、
行動を変えうるものなのだと思います。
フェルデンクライスメソッドで、
「自己イメージ」は頻繁に登場する言葉なのですが、
最初はどういうことなのか、よくわかりませんでした。
最近、やっと「そっか!」と思うようになりました。